4ヶ月ぶりに姉とデートしてまいりました。
そもそも姉はバイオレンス女王として生誕した折から我が家の頂点に君臨し続け、わたしとはそれはそれは喧嘩とか口論とか激しく厳しい(上下)関係だったのですけど、わたしが家を出て、彼女が嫁に行き、挙句に九州に行ってしまってから、とてもとても仲良くなりました。愛情も湧いてきました。そしてそれまであんまり正方向の感情を姉に抱いていなかったので、反動はものすごく、今ではお姉ちゃん大好きと街中で堂々と言える位のシスコンに成長できました。これでより一層気持ち悪い人間になりました。


姉は久々に会うにも関わらず、ものの見事に30分も遅刻してきました。(わたしは30分前に到着していました)わたしと彼女の立場が逆であったなら、とてもここには書けない程の罵倒と怒号が京都の空に響き渡ったのでしょうけれど、24年間で染み付いた上下関係は遅れる連絡を受けて考える間もなく「かしこまりましたお気をつけて」と言わせていました。ドラッグストアでマスカラの試供品を何種類も付けてまつげがとんでもない事になった頃、時間になって姉はやって来ました。


姉は正直幸せ太りとしか思えない体型になっていたのですけど、それを口に出すとこの世にいられなくなってしまうかも知れないので黙っておきました。沈黙は金といいます。


姉は歩いている間ずっと「ねえねえお姉ちゃん所帯じみてる?」とか「格好が時代遅れになってない?」とか「一緒に歩くと恥ずかしいと思う?」とか聞いてきました。専業主婦になってしまって、服も昔たくさん買っていたのに全然買わなくなって、友達ともあんまり遊びまわることもなくなったのでその辺とても不安だったみたいです。いちいち聞いてくるのが普段ならめんどうくさいことこの上無かったのでしょうけれども、5ヶ月ぶりに会うと優しくなれるもので、ひとつひとつに「そんなこと無いよ」と言えました。実際そんなことも無かったですし。そんな心配をしてくること自体かわいいなあとさえ思えました。結婚したが故の不安を垣間見ることが出来ました。ええ、ええうらやましかったです。


あんまり京都のおしゃれどころに行くことが無いのですが、姉相手にそんなこといえるわけも無いので、事前リサーチ、前日シュミレーションを念入りに行った結果(それはそれは初デートに行く男子中学生のように!)大成功に終わり、挙句に「うわあお姉ちゃんも京都にすみたいわあ」との発言まで引き出す結果に終わりました。遠いほうが華なので来ないで欲しいと思いました。


あと最後にわたしが社会人になったにも関わらず、ピアスをひとつ買ってくれました。銀のとても小さなピアスです。姉の中でわたしはやっぱりまだまだ始末に負えない妹のようです。