もうすぐうちの教授(老境)がお誕生日を迎えます。還暦なんてとっくの昔に迎え、「もうめでたいもめでたくないもないねえ」という教授ですが、やはりわたし達としてはおめでたい教授のお誕生日ですから、学生さんたちは学生さん達でいろいろ水面下で考えており(自分達のグラビア写真集作ってプレゼントという案とか出してた)(それはどの角度から考えてもセクハラ以外の何物でもないので全力で阻止)、その上2年前卒業した学生さんからも電話がありました。「誕生日の日、先生の家で飲み会しますからうめちゃんきてくださいねー」わあ、先生その日いいの?おうち使っていいていうてたの?「はい!誕生日会ももちろんかねますから絶対来てくださいね!」と先生の誕生日にむけてあらゆる方向から準備が進んでいます。


と、そんなさなかの今日ですが、教授とお茶を飲んでおりますと、
「ねえうめちゃん、卒業生のYさんから連絡あった?」
はいありましたよ。飲み会のおさそいですよね
「その日ね」
はい
「ぼくの誕生日なんだよねえ」
ええみんな知ってますよ
「あれ、偶然じゃないの?ぼく偶然だとばっかり思ってたよ」
先生、女子のイベント好き誕生日好きを甘く見てはいけませんよ。ちゃんとその日を狙ってお願いしたにきまってるじゃないですか。
「あれ、そうなの。じゃあぼくはそういうことを知っていたって気付かない振りしたほうがいいのかな」
うーん、どちらでもいいですけど、そうですね。じゃあ気付いていないことにしましょう。当日先生驚いた振りしてくださいね。みんな楽しみにしているんですよ。
「そうかそうか」
そうですよ。
「ふぉふぉふぉ」
うふふふふ
「ところでこのチョコレート食べていいの」
どうぞどうぞ。


その後しばらくしていたら学生さんがレポートを提出しにきまして、「ねえうめちゃん今日先生妙ににこにこしてたけど何かあったの?」と聞くのであ、やっぱり嬉しかったんだなと思いつつ、さあ何かいいことでもあったんじゃないの?ところで先生の誕生日企画うまく行ってる?「あ、ばっちりやで!いろいろ考えてるよ!ミニグラビアも作るよ!」それはやめなさいて。