最近いかがですかときかれても何事も無くとしか返答できない毎日ですが、そんなさなかさすがに20代なのに一番よくいく場所がジャスコ(その上部屋着で)(すっぴんで)というのはどうなのか、というかわたしたち遠出したこと(電車ででかけるレベル)ない、よね・・・!(あとは大体居酒屋)(焼酎)というあまりに引きこもりな現実に恐れと危機感を抱いたので週末おでかけをしてきました。デートですね。甘酸っぱいですね。青春ですね。わたしにもそんな芸当ができたのですね。


で、わたしが用事があるからちょっと会えないかというメールを送ると「用事ってなに、怒られる?」という返信がくる関係性であるわたしたちですが、とりあえず市内からは出てみよう、どっか行ってみようという計画だけがもちあがり、最初わたしが金沢!金沢に!行きたい!と進言してみたところ片道6000円以上するということが判明した瞬間断念、続きまして和歌山の串本!あそこの美術館!に!行きたい!というてみたものの距離的に金沢より遠いですと告げられ断念、ついでに人生もわりとどうでも良くなったので考えることをまずやめてぼーっとしていたところ、「福知山はいかがでしょう」といわれてああ!動物園!テナガザル!とやる気がでてきたので福知山に行ってきました。


台風通過直後という最高のデート日和の中(重苦しい灰色の雲)(小雨つき)、ちょうローカル沿線に乗り込み揺られ、接続待ちでえらいこと待たされぼっけーと過ごしながら着いたときには家を出てから実に3時間以上経過していたのですが、お互いひとり遊びが異常にうまいので事なきをえました。そうしてさあ動物園!に!行こう!とテンションあげたところで地図にはどこにものってなく、事前準備という言葉には全然縁が無いわたしたちだったのでとりあえず観光案内所にいってきいてみたところ、「え!動物園?!動物園ねー・・・!」とあきらかに何いうてんのこの人たちという目線を頂いて、運良くバスに乗れたのですが駅から最寄のところまで乗せてくれるバスはなんと3時間に1本、帰りは確実に無いという事実が判明し、バスの中ではとにかく道を覚えることに終始していました。このあたりでのわたしたちの会話の中にはとりあえず帰れたらいっかー・・・!という一文がとにかく飛び出していました。


そうして奇跡的に動物園にはいけたのですが、この動物園(入園料200円)が実にフリーダム過ぎて、陸ガメが30センチのくらいの柵のなかにぽーんと入っていたり(触れる)ヤギが完全に柵から首をだしていたり(触れる)豚が実に隙間の大きい柵に入っていたり(触れる)あげくにメインのテナガザルの子供は首に紐をつけただけで普通に鉄棒で遊んでいました(向こうが近寄ってきてくれたなら触れる)と、そんなフリーダムな上に、注意書きが「かまれる恐れがあります」の一文のみで、ああなんて自己責任にあふれた動物園なんだろうとたいへん感心し、カンムリヅルのうつくしさに感動してついでにヤギに指をあまがみされたりしていたらどんどん雨脚は強くなってきて陸ガメは飼育員さんにうしろから抱えられて室内に収納されていました。すごい光景だった。


で、やることも見るものもなくなり、まあ近くに植物館があるからいってみようか、と振ったりやんだりの雨をかいくぐりながら植物館にいったところ、ちょうど食虫植物展の真っ最中でして、恋人共々食虫植物の講義を受けてきました。ウツボカズラにすごいくわしくなったり、植物の中をのぞきこんではうおーハエが食べられてるー、と感嘆をあげたりしていました。たまに忘れそうになりますがこれはデートです。


そんな動物やら植物やらになったところでちょうど休館時間も近づいてきて、案の定バスは行ったあとで、1時間以上歩いて駅まで向かったりという実に青春らしいこともしてみました。途中風と雨にざかざかやられて実にサバイバルな様相を呈していたりもしましたが青春と言い張ることにします。嘘も言い続ければ真実になると思います。



歩き続けて結局駅に無事着くこともできて、切符かって電車乗ってかえりました。そんな旅行でしたが、京都駅から福知山線に乗っていくと、途中ずーっと山の中を通りまして、行きの電車はまだまだお昼間だったのですが、空は重苦しい雲がどっしりとのっかており、雨がふったりやんだりの落ち着かない天気だったのですが、途中、なぜかうす明るいのに霧に包まれたような、霧雨が舞っている様な不思議な天気になり、変な天気と思いながらふと周りを見ますと、周りの山じゅうからあたらしい雲がどんどん作られており、そうか!わたし今雲が出来てる真っ只中にいるんだ!とすごくうれしくなりました。いつも会社に行く電車の中から山から雲が湧き出しているのを見るたびに、ああいつかあの雲ができてるなかに行ってみたいなあどんなんなんだろう、と思いを馳せていたことがあっさり叶って実は行きの電車の中ですでに今日はほんとに出かけてよかった、と思っていたのでその後も楽しく実にたのしくて一日の長い、良い旅行になりました。遠出もいいものですね。