一応わたしも正社員という身分ですのではれてボーナス!を!いただいてきました。うちの会社は零細な上に妙にいろいろ古い習慣が残っていますので、なんとボーナスは現金手渡しです。順番に呼ばれて社長から受け取るのです。で、ボー!ナス!!とその日は全員そわそわどきどき納期おくれの発生によりはらはらと過ごしまして、午後に入り順繰りにもらっていきました。たぶんほかの一般企業にお勤めになっている人たちよりははるかに全然少ないのですがそれでもわたしにしては結構な額でして封筒あけた瞬間奇声をあげたりしました。


で、今回わたしたちの賞与は通常の分に加えて、死ぬほど悪かった業績がそこそこ良くなってきたらしく決算賞与というおまけ分がついてきまして、封筒も二つに分かれていました。そこで部屋にもどり明細などを確認しておりますと室長が決算賞与分の封筒をいきなり破き、「な、なんで明細を一枚にまとめとんねん・・・!!!!」とそのままぶっ倒れそうなぐらい顔を赤くし、そのあともそわそわぶつぶつと独り言をつぶやいていたのですが室長の独り言は通常の話し声とまったく同じ音量なので「スキャンして訂正したら・・・」「フォトショップ・・・」などの作戦が聞きたくなくてもどんどん飛び込んできましてついに同僚さんが「どうしたんですが一体!」と一喝して室長の「決算賞与をそっくり頂いてしまおうと思っていたのに明細が分かれていないために全額奥さんにに渡さなくてはいけなくてどうにか明細を偽造できないか」というどうしようもない計画が全部露呈しました。


あきれ返るわたしと同僚さんを尻目に室長はまだまだあきらめがつかない様子で、「くそーなんでやねん封筒分けたら明細も分けるのが当たり前やろ!なあ!!」と頭抱えたりうなったりとお忙しそうでして、同僚さんの「だったらいっそ明細見せなかったらいいじゃないですか」という発言は「ワシこれまでのいろいろな使い込みがこないだついに(奥さんに)ばれてお陰で今回の締め付けの厳しさは半端ではなくて」とさらにどうしようもない発言が飛び出したのでわたしたちは仕事に戻りました。


そのあと仕事あがりにみんなでご飯を食べに行ったのですが、奥さんもちの社員さんはあまねく明細一本化がショックだったらしく、「確かに明細2枚出すのはめんどくさいと思うけどだったら手伝いにいったのに!」「日曜に出勤しても良かったのに!!」「一言いうてくれたら!!」とビールをお供にあまねく嘆いていまして、その横でわたしと同僚さんはひたすら頼みすぎてアホほどやってきたチャーハンやら野菜炒めやらエビチリやらをもぐもぐやっていました。非常に温度差の激しい晩餐になりました。